マイナポータルの責任逃れ
目次
マイナポータルの利用規約。
ほとんどの利用者は事細かには読んでいないと思うが、ここに自公政府の「何か問題あっても責任とらんよ感」が滲み出ている。
マイナポータルの利用規約の重大な問題箇所は以下である。
マイナポータル利用規約のリンク(2022年10月のアーカイブ)
第3条 システム利用者は、自己の責任と判断に基づき本システムを利用し、本システムの利用に伴って生じる以下の情報及び利用者フォルダを適切に管理するものとし、デジタル庁に対しいかなる責任も負担させないものとします。
一 やりとり履歴
二 わたしの情報
三 お知らせ
四 手続の検索・電子申請
五 その他、システム利用者が閲覧、取得し管理している電子情報
いきなりこれである。
そもそも、五にある「その他、システム利用者が閲覧、取得し管理している電子情報」
マイナンバーシステムではこの電子情報が一番重要である。
それなのに「最後の五」に「その他」としれっと併記しているだけ。
もし、この電子情報が流出しても、全ては利用者の自己責任であり、政府には全く責任が無いと言っているわけだ。
これだとマイナンバーシステムのデータ流出事件が起きても、損害を被った利用者が政府に損害賠償を請求しても賠償を取れる可能性が低いのである。
政府としては「あんたが規約を読んでいないのが悪い」というだけだ。
そのような無責任な利用規約を飲ませるのであれば、そのサービスは使わないに越したことが無い。
そして、その無責任なサービスに日本人のカネを使うなと、運営元(政府)に抗議するようになれば、なお良い社会が見える。
免責事項は「政府に責任無いよ」の連発
免責とは「何かあっても僕たちの責任ではないよ。だから損害の賠償などしません」という意味である。
それを踏まえて、マイナポータルの免責事項を読んでみよう。
第23条
デジタル庁は、本システムの利用及び利用できないことによりシステム利用者又は他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとします。
2 デジタル庁は、本システムの利用の停止、休止、中断若しくは制限又は通信回線の障害等により発生したシステム利用者又は他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとします。
3 デジタル庁は、本システムの利用に際しマルウェア感染等で生じた被害について、責任を負わないものとします。
ここまで「私は責任を負わないぞ」と連呼されると一種の清々しささえ覚える。
この免責事項に則って、今後起こりうる「もしも」に当てはめて、政府が責任を取るかどうか考えてみる。
まず、このマイナンバーシステムを使えないことで不利益を被った場合
(つまり、マイナンバー村八分になったことが引き起こす被害。障害者や高齢者がシステムを満足に使えない場合も含まれる)
この場合は、政府は責任を負わない。
「使えなければ、お前が悪い」と言っているわけである。
次に、もしシステムがバグで機能停止した場合や、長期休止した場合も、政府は責任を負わない。
それで困った人がいても、責任取る気は無いわけだ。
免責されているので、損害賠償をする事も無い。
そして、最後もなかなか香ばしい。
利用に際してマルウェア感染等で生じた被害の責任もとらない。
単に、「マイナポータルを偽った詐欺に遭ってマルウェアを仕組まれたらそれの責任は取らないよ」と言っているだけではない。
「本システムの利用に際しマルウェア感染等で生じた被害」なので
これは
「もしシステムがハッキングされて、マイナンバーシステムにマルウェアを仕込まれて、それに利用者が感染しても政府は責任を取らない」と言っているわけである。
凄いことを言っている。
もしこれが一般的なネットワーク会社の免責事項だったら、一切信用が無い。
一般的に、顧客の重要な情報を持つ会社がハッキングされたら、それはセキュリティの甘い、その会社が悪いだろうという話だ。
しかし自民党政府の場合「マイナンバーシステムがハッキングされても私たちに責任は無い」と言うわけである。
さすが、「サイバーセキュリティー担当大臣(桜田義孝)が、USBすら知らなかった自民党政府」である。
仏も驚くようなお人好しだったらこのシステムを信用できるだろう。
いつでも、後から、利用規約を書き換えますよ!宣言
以上で、いかに政府が責任逃れのための利用規約を講じてきたかご理解いただけた方にも、最後に以下の事実を知っていただき、さらに自民党政府の狡猾さに「免疫」を付けていただければと思う。
このマイナンバーシステム利用規約の最大の「ワナ」がこれである。
(利用規約の改正)
第24条 デジタル庁は、必要があると認めるときは、システム利用者に対し事前に通知を行うことなく、いつでも本利用規約を改正することができるものとします。
2 デジタル庁は、本利用規約の改正を行った場合には、遅滞なくマイナポータルに掲載し公表するものとします。
3 前項の公表後に、システム利用者が本システムを利用するときは、システム利用者は改正後の利用規約に同意したものとみなされます。
まず、利用者に黙って、政府は「いつでも利用規約」を書き換えられると言っているのである。
しかも、システムを使った場合、それに問答無用で同意したものとみなすと言っている。
ヤクザでもやらないのではないか?
もし「利用規約」に、「システム委託先は利用者データを自由に売り買いすることができます」
など黙って書き足されたら、どうなるだろうか?
利用者がその書き換えを知らずにマイナポータルを使っていた場合、利用者はその異常な規約に知らないうちに「勝手に同意したことになる」というのがこの「ワナ」の仕組みなのである。
もはや、マイナンバーシステム自体が「ウィルス」のようなものである。
利用者は知らず知らずに感染していくというわけである。
そして、ウイルス生産者である政府は、何も責任を取らないというのが、このマイナンバーシステムなのである。
そのような「無責任宣言」が利用規約に書かれているので、利用規約は細かく読むべきなのだが、忙しかったり、めんどくさかったりで読んでられないのが人間の性である。
そんな無責任な利用規約が書いてあるとは思いもしないだろう。
そもそも、日本人が利用するシステムなのに、日本人とって至極不利な利用規約を作る自公政府が一番悪いのである。